小指みじか！。

全てをとりあえず置いといて

何も思わず

何も悩まず

ひたすら無心になれる場所があるというのは

とてもありがたい事で。


涼しい風と陽のあたる場所で

オヤジチェアに座りこみ

本を読む。

うとうと眠る。

本を読む。

突然ガラリと網戸が開き

「はい、これ。できた」

母が無造作にブラックベリーを差し出す。

「すゆい　すゆい」

と言いながら

又　ひたすら

本を読む。

うとうと眠る。

本を読む。

うろこ。

夕飯に魚を焼きましょうと触ったら

魚のヒレが親指に刺さった。

しばらく痛みが消えない。


この指先から魚汁がドクドクと

身体中駆け巡り

全身鱗肌に変貌し

エラ呼吸でフガフガと

水の中でしか生きられなくなっても

麩の餌はやめてね。